看護師の賠償責任保険比較

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看護協会

こんにちは”めぐり”です

「看護師が入る賠償責任保険てなに?」

「保険には入ったほうがいい?」

今回はそんな疑問にお答えしていきます。

私の夫は、看護師歴15年、現役の県立病院看護師です。

そんな夫から看護師の賠償責任保険について聞き、調べましたので詳しく記事にまとめました。

結論は、

看護職賠償責任保険は「絶対」入るべきです。

まだ入っていない方、入っているけど詳しくわかっていない人はぜひこの記事を読んで参考にしていただけると嬉しいです。

看護職賠償責任保険とは

看護職賠償責任保険とは、看護職が業務によって他人の身体や財物に損害を与えたり、人格権を侵害したため法律上負担しなければいけない損害をカバーしてくれる保険です。

※看護職とは看護師、准看護師、保健師、助産師を指します。

つまり、看護師個人が仕事中にケガをさせてしまった!私物を落として壊してしまった!身体拘束は不当だ!などで訴えられ、損害賠償を請求されたときに補償やサポートしてくれる保険です。

それだけではなく、自身が業務中にケガしたり、HIVなどに感染してしまった場合の補償が付いている保険もあります。

2020年にナース専科が実施した調査では、2人に1人の看護師が賠償責任保険に加入しています。

これは少ないと思います。特に病院で患者さんと接する業務を行っている看護師は絶対入るべきです。

以下で看護師が賠償責任保険に加入するべき理由を説明します。

看護師が賠償責任保険に加入するべき理由3つ

看護師が賠償責任保険に加入するべき理由は大きく分けて3つあります。

多くの看護師は病院や施設、訪問看護などで働いています。医療現場では看護師が直接患者にケアや医療行為を行います。

マンパワー不足、シフト制、多重業務、複数の患者を受け持つ、多職種が関わる、専門知識が問われる…

このような状況下で仕事しながら、ミスは人命に関わるので許されない

こんな過酷な仕事が他にあるでしょうか?

テレビをつければ「○○の病院で医療事故」とたびたびニュースで見ます。

医療事故には必ずといっていいほど看護師が関わっています。

決して医療事故は他人事ではないということを肝に銘じておく必要があります。

看護師個人が訴えられるケースがある

「そうはいっても実際看護師個人が訴えられたなんて、身近で聞いたことがない」

「夜勤中に患者がベッドから落ちて骨折したけど看護師は訴えられてないよ」

そんなこと思われる看護師さんもいると思います。

確かに看護師個人が訴えられるケースなんて滅多にないです。多くの場合患者や家族は個人ではなく、病院を訴えます。

わたしの夫が以前いた病院でも実際に、「看護師が患者を車いすに乗せ換えているときにバランスを崩して頭から転倒させてしまい脳に障害を与えた」ことがありました。

このケースでは家族は病院側に責任を求めて訴訟を起こしました。病院は組織としての責任を問われることになり、和解金で解決するに至りました。

しかし、患者や家族が看護師個人を訴えられないなんてことはありません。患者や家族が看護師個人に責任をとってもらいたいと考えれば賠償を求めて訴えることができます。

病院は医療事故などの際の訴訟に備えて保険に入っていたり、医療訴訟に強い顧問弁護士がいるところがあります。だからといって看護師個人が訴えられたときにどの程度助けてくれるかわかりません。

もし個人で解決しなければならないとき、弁護士をたてたり裁判に向けての準備が必要ですし、賠償金を支払わないといけないかもしれません。

弁護士費用や賠償金でいくらになるでしょうか?数百万、数千万というお金が必要になったとき用意できますか?

保険は万が一に備えるものです。

でも次の1回があなたの起こした医療事故かもしれません。自分は絶対ミスしないと言い切れますか?

以下に看護師である夫の身の回りで実際に起きた医療事故事例を挙げます。

  • インスリンバイアル製剤の過量投与                                  1年目看護師がインスリン1単位を1mLと誤って認識していたことから100倍量を投与した
  • 寝たきり患者の着替え中の骨折                                 中堅看護師が拘縮のある患者の腕を持ち、服の袖に無理やり通そうとして肩関節の骨折を起こした
  • 心電図モニター装着患者の心停止発見遅れ                           深夜勤務6時ごろ心電図モニターが心停止でアラームがなったが、「電極外れだろう」と思い込み、多忙であったことから訪室を怠たり発見が遅れた
  • 頻脈性不整脈に対してワソラン注射剤を誤ってワンショットで投与し高度徐脈になった         5年目看護師が頻脈性不整脈に対して病棟医に相談しワソランの点滴指示を口頭で受けた。確認不足と思い込みから1アンプルをワンショットで投与し高度徐脈になった。5年目看護師は部署異動したばかりだった。
  • 離床センサーを設定し忘れ、患者が転倒し大腿骨頚部骨折した。           認知症がある転倒リスクの高い患者の離床センサーを一時的に消した際、再設定せず退室したため、患者がベッドから降り転倒して大腿骨頚部骨折した。

どれも、実際には起こらなかったがヒヤリハット事例として病棟で話し合った経験もあるのではないでしょうか?

医療事故は1年目だから、多忙だから、その部署に慣れていないから、で許されるものではありません。

事実、医療訴訟の件数は過去20年で年間800件前後で推移していますが、看護師個人が訴えられ件数は増加傾向です。

(参考:最高裁判所 https://www.courts.go.jp/saikosai/vc-files/saikosai/2022/220701-iji-toukei1-heikinshinrikikan.pdf

2015年のデータですが、「看護roo!」で看護師の訴訟件数についての記事を紹介します。

2015年には年間98件看護師個人が訴訟の対象になっています。

これは医療訴訟の全体の13.1%を占めており、内科、外科についで3番目の多さです。整形外科や産婦人科よりも訴訟件数が多いことがわかります。

(参考:看護roo! https://www.kango-roo.com/learning/3603/

また、賠償責任保険には患者さんに直接危害を与えたときの賠償(対人賠償)だけではなく、患者さんの私物を壊してしまったときの賠償(対物賠償)も付いています。

誤って患者さんのスマホを落とし画面が割れた、メガネを壊してしまった、ティッシュに包んであった義歯を捨ててしまった。なども補償の対象になります。

患者さんの私物には高価なものもあり、弁償を求められたときに保険に入っていると安心です。

看護師が仕事中に感染やケガをするリスクがある

看護師が仕事中に誤って「針刺し事故」を起こした、また新型コロナウイルス感染症などの「特定感染症」に罹患し入院した、仕事中に階段を踏み外して大ケガをして入院や手術が必要になった場合など、自身が感染やケガをするリスクがあります。

そういったときにも賠償責任保険に加入していると適応できます。

「労災で保険金がおりるんじゃないの?」

「共済や医療保険に入ってるけど、別で保険金が支払われるの?

確かに仕事中に感染やケガをして入院や手術などで仕事を休む場合、労災や医療保険も適応されます。それらと全く関係なく賠償責任保険からも保険金が支払われます。

もしものときに補償が少しでも手厚くなると休業中の生活も安心できます。

賠償責任保険の掛金は安い

上記で挙げた、「対人・対物賠償」や「自身の傷害補償」は看護師として仕事していく以上、必要なリスク管理だと思います。

しかし、この賠償責任保険が高額だったら、車の任意保険のように利用すれば翌年から掛金が高くなるのだったら加入に躊躇しますよね?

看護職の賠償責任保険は非常に掛金が安いです。

例えば、看護師であるわたしの夫が加入している看護協会の看護職賠償責任保険の掛金は年額2,650円です。

月換算すると1ヶ月220円です。40年加入継続していたとしても106,000円です。

おそらく40年の間に1回でも利用しなければいけない状況になったら、その1回で十分元が取れるでしょう。

さらに、この保険を利用して保険金を受け取ったからといって、次の年から個別に掛金が高くなるということもありません。

月220円で仕事中の「もしものとき」の補償やサポートを受けられるのですから入っておくことを強くおすすめします。

この「掛金の安さ」が加入するべき理由に挙がるのも納得ではないでしょうか?

看護職賠償責任保険の補償やサポート内容

上記でも補償内容については触れていますが、他にも受けられる補償やサポートがあります。

ここでは日本看護協会の看護職賠償責任保険を例に解説します。

  • 対人賠償
  • 対物賠償
  • 人格権侵害
  • 傷害補償
  • 法律相談
  • 弁護士費用

個人賠償責任保険との違い

「個人賠償責任保険に入っているけど、何が違うの?」

ここまでの説明で、このように思われるかもしれません。

似たような言葉で「個人賠償責任保険」というものがあります。

保険名の頭につく言葉が「看護職」と「個人」で違うだけです。言葉は似ていますが決定的に違うことがあります。

それは、看護職賠償責任保険は「仕事中」に適応される保険なのに対して、個人賠償責任保険は「日常生活」で適応される保険です。

わたしたち夫婦は家を建てたときに火災保険の特約で「個人賠償責任保険」にも入りました。この保険は自分や家族が事故やトラブルで訴えられ、損害賠償が発生したときに備える保険です。

以前「個人賠償責任保険に加入しているから看護職賠償責任保険の更新は不要ではないか?」と考えたことがあって調べたのですが、個人賠償責任保険は日常生活で起きた事故やトラブルに対しての保険で、仕事中には適応されない。と明確に記載がありました。

なので、個人賠償責任保険に加入していても別で看護職賠償責任保険にも加入することをおすすめします。

主な看護職賠償責任保険

主な看護職賠償責任保険は以下の団体や会社から加入することができます。

  • 日本看護協会
  • Willnext
  • ナース専科
  • メディカル保険サービス

これらはいわゆる保険代理店であり、どこで加入しても東京海上日動か損害保険ジャパンの2社どちらかの保険です。

どこの代理店を通すかで「保険料」や「補償内容」が変わってきます。

他にも代理店はありますが、特に保険料の安さや補償内容に特徴のあるおすすめの代理店が上記4つです。「わたし調べ」ではこれら4つの代理店以外で加入するメリットはないと思いましたので今回は省略させていただきました。

看護職賠償責任保険を徹底比較!!

上記4つの代理店を保険料や補償内容、特徴ごとにまとめて比較しました。

日本看護協会ナース専科Willnext
(Bプラン)
年会費2,650円1,580円3,440円
対人事故5,000万円
(保険期間中
1億
5,000万円まで)
5,000万円
(保険期間中
1億5,000万円まで)
1億円
(保険期間中
3億円まで)
対物事故100万円50万円100万円
人格権侵害5,000万円50万円
(保険期間中
100万円)
1億円(対人賠償と共有)
(保険期間中
3億円まで)
傷害補償①傷害死亡・後遺障害
66.3万円~85万円
②針刺し・血液暴露事故
例:HIV感染60万円
×感染見舞金5万円
感染事故見舞金10万円限度
針刺し・血液暴露事故の
検査予防措置費用限度10万円
法律相談10万円×
弁護士費用100万円×無料相談あり
初期対応費用500万円
(対人事故の
見舞費用の限度は10万円)
250万円
(対人事故の
見舞費用の限度は10万円)
250万円
(対人事故の
見舞費用の限度は5万円)

日本看護協会

全国77万人の看護職が加入する日本最大の看護職能団体である日本看護協会会員限定の保険です。既に看護協会の会員なら日本看護協会の看護職賠償責任保険一択でいいと思います。会員でない場合は各都道府県の看護協会に入る必要があり、別途年会費(初年度は入会費含む)がかかります。

看護協会については別記事で詳しく解説しているのでそちらも参考にしてください。気になる方はこちらをクリック→看護協会は入るべきか?【看護協会員歴15年】の看護師が教えます!

特徴

  • 仕事中に起きた自身のケガや針刺し事故で感染したときの傷害補償が付帯している
  • 仕事中にハラスメントを受けたときの法律相談・弁護士費用の補償
  • 医療安全に詳しい相談員(看護職)が対応してくれる専用コールセンターがある。刑事訴訟は補償の対象外だが解決までの全プロセスで支援してくれる。

傷害補償は通勤途中の事故等によるケガも含みます。また、上記「看護師が賠償責任保険に加入するべき理由3つ」でも解説しましたが、この傷害補償は労災や個人で加入している医療保険とは関係なく支払われます。

看護職賠償責任保険のQ&Aにも明記されています。

Q社会保険との関係はどのようになっていますか? また、他にも共済や保険など傷害補償に加入している場合は、どのように支払われるのですか?

A社会保険(医療保険・労働者災害補償保険)の給付とは関係なく、保険金が支払われます。
また、他に、共済や他の保険会社の保険等に加入している場合も、それらとは全く関係なく保険金が支払われます。

看護職賠償責任保険制度Q&A/https://li.nurse.or.jp/faq/about_amends.php

ナース専科

国内最大級の看護師・看護学生コミュニティサイトであるナース専科の会員(無料)になる必要がある。

特徴

  • 掛金が最安。掛金を1ヶ月換算すると約130円/月
  • 比較した他の代理店より対人事故以外の補償は弱い

掛金が安いぶん補償は最低限の印象。しかし対人事故は他の代理店と同等のため、とりあえず「もしものときの対人事故があればよい」ならおすすめ。

Willnext

約32万人の会員がいる一般社団法人日本看護学校協議会共済会の会員になる必要がある。保険料には会員費・運営費も含まれているため別途費用は不要。

特徴

  • Aプラン・Bプラン(上記表参照)が設定されている。Aプランは2,980円とBプランより安いぶん対人(5,000万円)・対物(50万)と補償は半額になっている。
  • 一般社団法人日本看護学校協議会共済会の共済制度である各種見舞金制度も受けられる。
  • 一般社団法人日本看護学校協議会共済会の顧問弁護士による法律相談が無料で受けられる。

看護職賠償責任保険の補償だけではなく、共済会ならではの補償制度もありお得感がある。ただし、年会費はやや高め。AプランとBプランは1ヶ月換算で約38円の差。補償内容の差を踏まえるとBプランがおすすめ。

あなたに合った保険はこれ!

上の比較表と特徴をもとにあなたに最適な保険をお伝えします。

看護協会会員or傷害補償も付帯させたいorハラスメントにも対応してくれる保険をお探しなら日本看護協会の看護職賠償責任保険

とにかく少しでも掛金を安くして必要最低限の補償がある保険をお探しならナース専科の看護師賠償責任保険

掛金が多少高くて共済加入による見舞金や法律相談制度がある保険をお探しなら一般社団法人日本看護学校協議会共済会のWillnext

まとめ

看護師の賠償責任保険の掛金は1ヶ月換算で500円以下で収まり、大きな負担にはなりません。今回紹介した保険で最も掛金の高いWillnextでさえ、40年間継続して加入していたとしても総支払額は137,600円です。

一方看護師が一度でも個人的に医療訴訟を起こされると賠償金を支払うかどうかの前に、弁護士を立てることをはじめ、裁判で争う準備をしなければいけません。

事故発生から解決までの費用はもちろん、解決に向けてのサポートまでしてくれる保険はまさに「もしものときの備え」です。

賠償が必要な医療事故が発見された時点で加入しておく必要がありますから、「なにかあってから」加入しても遅いですよ!

まだ賠償責任保険に加入していないならぜひ今すぐにでも加入することをおすすめします。

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